パソコンの関連機器が手軽に購入でき、さらに専門知識がなくても接続設定ができるようになってきました。
しかし、ITの専門家がいない中小企業では、隠れた多くの問題を抱えたままパソコンを使用しているのが現状です。
そのような中小企業のために、専門家の立場から少しでも役に立つ情報を発信していきたいと思います。
中小企業は次のようなITに関する問題点を抱えていました。
- ITに投資したが、使いこなせない。
- 取引先とITを効率よく使って仕事ができていない。
- いつまでも「電話とFAX」の世界から抜け出せない。
- 仕事はガラケー、個人はスマホになってる。
- 社内データのセキュリティは、万全ですか?
- 社内のデータは、社員全員で共有できていますか?
- 社内共有データのバックアップ対策は、万全ですか?
- 離れた拠点(遠隔地)とのデータ共有は、できていますか?
- システムにトラブルが発生した時の対応策(担当者)は準備できていますか?
何が原因で、中小企業のIT化にいろいろな問題点が起きているのかというと、IT製品が手軽に入るようになり、基礎知識がないまま設定を行い、結果オーライ的な設定になっていることです。
例えば、ネットワーク設定を例にとると、IPアドレスの基礎知識がないままインターネットに繋がるから正しく設定が完了したと思ったりしています。
そのためにいろいろなトラブルが発生しいるのですが、そのトラブルを解決するにはネットワーク内のすべてのパソコンのネットワークを基本設定からやり直さないといけない場合など多々あります。
仮にネットワーク内に5台のパソコンがあったなら、各パソコンの環境を調査して正しいネットワーク設定をするには3~4時間の時間が必要でしょう。ネットワーク技術者が、3~4時間の作業をするのであれば、それ相応の作業料が必要になります。
この作業を行わずに、トラブルが出るまで運用し続けているのが中小企業のIT環境の現状なのです。トラブルが発生した時には、パソコンのネットワーク環境が複雑に構成され簡単に原因を究明できない状態になっています。
このようなトラブルを解決するためには、中小企業のユーザーが問題の本質を理解し、正しい環境に設定するための作業料を認識していただくことが必要だと思います。
ただし環境設定するために必要な技術情報は、このページから発信していきます。このページの技術情報を基にパソコンの環境を正しく設定してください。それでも、トラブルが解決しない場合は、専門の技術者に作業を委託してください。
データ共有の基本
中小企業が抱えている多くの問題の中でも、最も多い問題がデータ共有に関する問題です。この問題は、前述のネットワーク設定に関する問題とともに解決しなければなりません。
ローカルエリアネットワークの設定が、正しく行われていないとトラブルの原因が特定てできないのです。
まず最初に、ローカルエリアネットワークの設定と正しいデータ共有の方法について説明したいと思います。
データ共有(排他処理)
データ共有とは、一人がデータを編集していたら、他の人にはデータを編集できないようにすることが必要です。この処理を排他処理といいます。
Excelの機能は、ファイル排他処理です。
一人の人がExcelのファイルを編集していると他の人は、そのファイル全体を編集できません。(読み取り専用)
Accessの機能は、レコード排他処理です。
一人の人が、データを編集していても、編集しているデータ以外であれば、他の人は編集することができます。
例えば、顧客名簿の場合で説明すると、一人が田中さんの名簿を編集していても、他の人は田中さん以外の名簿であれば、編集することができます。
常に変化するデータを共有するには、レコード排他処理が必要です。
管理資料などの集計結果データは、自分だけが見れればいいデータなのでExcelなどのファイル排他でも問題ありません。
業務システムを構築するには、どのデータをExcel(ファイル排他)で利用し、どのデータをAccess(レコード排他)で編集するかを、効率よく管理する必要があります。
ここで発信する情報が、中小企業のIT化に少しでもお役に立てれば幸いです。
抱えている問題があれば、コメントに記入していただければ時間がかかる場合もあるかもしれませんが、専門家の意見として回答させていただきます。